リウマチと診断された方へ

「血液検査でもリウマチの数値が高く、リウマチですね」と最近リウマチの診断をされた方はいらっしゃらないでしょうか。 手の痛みの原因がリウマチと分かって少し安心すると同時に、「リウマチってどんな病気かな?」「これからどんな治療をするのだろう?」「仕事はできるのかな?」など不安や疑問が出てくる事もあるかと思います。
そんな皆さんの疑問にお答えし、しでも皆さんの心配がなくなり、安心して前向きにリウマチの治療に取り組んで頂ければ幸いです。

リウマチってどんな病気?

リウマチは、一言でいうと「自分の体の中にある免疫細胞が、手や足などの関節を攻撃して痛みがでる病気」です。
本来ウイルスや細菌などの悪い物から体を守ってくれるはずの免疫細胞が、手や指の関節の中で暴れまわって悪さをしているイメージです。そうすると、手や指の関節が腫れて痛くなり、その状態が何カ月も続くと手や指の骨に穴が空いてしまい、さらに数年すると手や指が曲がって変形を起こしてしまいます。
リウマチと聞くと、手や指が曲がってしまった写真を見た事がある方もいらっしゃるかもしれません。リウマチは治療をしないでそのままにしておくと、痛みだけでなく手指の変形が起きてしまうのが特徴です。

でも、今は昔とちがって、そんなリウマチの痛みや腫れを良くして、変形が起きないように治療できるお薬があるので、安心してくださいね。そのためにも、次のリウマチの治療がとっても大事になります。

リウマチはどんな治療をするの?

リウマチの治療は大きく分けると、「飲み薬」と「注射」のお薬の2種類になります。
どちらも手足での関節の中で暴れている免疫細胞を大人しくさせて、痛みを治しリウマチの進行を止める効果があります。 お1人お1人のリウマチの状況や、ご年齢、持病などによっても変わってきますが、まずは飲み薬でリウマチの治療を始めます。
この飲み薬で一番よく使われるのは「メトトレキサート」というお薬で、リウマチと診断されたらまずこれで治療を開始します。最初は少ない量で治療を始め、徐々にお薬の量を増やしていき、数か月後には半分以上の方でリウマチが良くなります。 それでもリウマチの痛みや腫れが残る方には、「生物学的製剤」というリウマチに良く効く注射での治療を追加します。この生物学的製剤は、ピンポイントでリウマチを治療するお薬でリウマチにとっても良く効きます。この注射のお薬も追加することで、ほとんどのリウマチの方が良くなります。

将来はどうなるの?

昔はリウマチになると手や指が変形して曲がってしまう事が多かったのですが、今はよいお薬が沢山あり、変形の心配も少なくなったので安心してください。
リウマチの痛みや腫れが無くなり、リウマチの進行も止まって変形の心配がない状況を寛解(かんかい)と呼びます。まずはこの寛解を目指してお薬を調整していきます。そして寛解になったあとは、その良い状態をずっとたもっていくことで、痛みや変形の心配なく、今までと同じ生活を目指す事ができます。
自然に治る風邪や頭痛のように、お薬を止める「完治」はリウマチでは難しいのですが、自分に合ったリウマチのお薬を続けながら痛みなく今までの生活ができる「寛解」を続けていく事が大切になります。

仕事は続けていいの?

リウマチの症状や、お仕事の内容にもよりますが、無理ない範囲で仕事を続けていく事をまず第一に考えて頂ければと思います。 リウマチと診断され治療が始まった直後は、まだ腫れや痛みもあると思うので、あまり痛みのある関節に負担のかからない仕事にして頂けると良いかと思います。その際、痛みは目に見えずなかなか他の人には分からない面もあるので、リウマチである事を職場の上司や同僚の方にお伝えし相談されると良いかと思います。 そして数か月して、徐々にお薬が効いてリウマチが良くなるのに合わせて、元に仕事に戻されていく事がお勧めです。 皆さんのリウマチが良くなり、仕事や今までの生活が続けられるようになる事が、僕らリウマチ専門医の願いです。

リウマチと診断をされこれから治療をしていこうとお考えの皆さん、ぜひ僕らのようなリウマチ専門医にお任せください。紹介状などはいりませんので、お気軽にご相談くださいね。