手の痛み

手が痛い、手首が腫れている、手の甲が浮腫んでいる

「手首がジンジン痛い」
「手をひねると痛い」
「手全体が腫れている」
など、手の痛みや腫れでお悩みの方はいらっしゃいませんか?

最近ではパソコンやスマートフォンで手首を痛めてしまう方も多いですが、
実はその中に思いがけない病気が隠れている事もあります。
手が痛い時、どんな病気の可能性があり、どんな病院に相談したらよいのかについて、ご紹介させて頂きますね。

リウマチ(関節リウマチ)

手首のリウマチを見つける症状のポイントは、

  • 「動かさなくても手首が痛い」
  • 「表面の皮膚ではなく、奥の方がズキズキ痛い」
  • 「痛みに加えて、関節が腫れている」
  • 「手だけでなく、足やひざなど他の関節も痛い」
  • 「痛みが何週間も続いている」
になります。

リウマチは、免疫の細胞が、手首などの関節の中で勝手に暴れまわる事によって引き起こされます。そのため「じっとしていても痛い」ですし、痛みだけでなく「腫れ」も出てきます。また、免疫の細胞は、体のあちこちの関節で暴れまわるので、手首1か所だけでなく、右も左も、手も足もなど、「2か所以上」の関節が痛くなるのが特徴です。

またちょっと手首をひねってしまった時の痛みなどと違い、リウマチの場合には数週間様子をみても良くならず、むしろ痛みが強くなったり、痛い場所が増えたりと、「症状が悪く」なっていく事が多いです。

このような症状を起こす手首のリウマチを治療せずにそのままにしておくと、手首が変形を起こし、小指側に曲がって動かせなくなったり、小指が動かしずらくなってしまうこともあるので、ご注意くださいね。 このような手首のリウマチを疑う症状があるかたは、ぜひお近くのリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。

腱鞘炎(けんしょうえん)

腱鞘炎は、皆さんも聞き馴染みがあるかと思います。手首を使い過ぎ翌日などから、手首を動かすとビリビリと痛みが走るのが特徴です。手首には、腱(けん)という手を曲げたりひねったりする時に引っ張ったり緩んだりする紐(ひも)の様なものがあります。手首の使い過ぎなどで、この腱の紐に炎症が起きてしまう事が腱鞘炎の大きな原因になります。

治療は、まず安静になります。それでも良くならない時は、痛み止めの注射やリハビリなど、整形外科の先生がご専門になりますので、そんな時はお近くの整形外科クリニックにご相談されると宜しいかと思います。

リウマチの腱鞘炎

実は、リウマチでも手首の腱鞘炎を起こす事があります。 リウマチの腱鞘炎の場合には、免疫の細胞が手首の腱で暴れて悪さをしているので、

  • 「特に手首を使い過ぎた覚えも無いのに痛い」
  • 「じっとしていてもズキズキ手首が痛い」
  • 「手首が痛いだけでなく、腫れている」
  • 「手首だけでなく足や膝(ひざ)も痛い」
といった特徴があります。

リウマチが原因の腱鞘炎の場合には、普通の腱鞘炎とは治療が大きく異なり、安静だけでは良くならず、リウマチ専門の薬で治療する事が必要です。

もしリウマチっぽい腱鞘炎の症状や手足の痛みもある場合には、お近くのリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。

ガングリオン

ガングリオンは、手首にゼリーのようなものが貯まってしまう病気で、手首にピンポン玉のような丸い膨らみができるのが特徴です。「手首が腫れてしまった」とリウマチをご心配されてご相談頂く事もあります。

ガングリオンをみつけるポイントは、

  • 「膨れているけど痛みがほとんどない」
  • 「手首全体ではなく、手首の一部だけが丸く膨らんでいる」
  • 「手首以外の指や足などは、痛くない」
などとなります。

治療も、リウマチの様な飲み薬ではなく、注射で手首に貯まっているゼリーを注射で抜いたりと、整形外科の先生がご専門になります。気になる方は、お近くの整形外科クリニックに、ご相談されると良いかと思います。

膠原病(こうげんびょう)

頻度は低いですが、リウマチ以外の膠原病でも手が痛くなる事があります。
膠原病というのは、免疫の細胞が暴れて体に悪さをしてしまう病気をまとめた呼び方になります。
体のどの部分を免疫の細胞が悪さをするかによって、病名も症状も様々なものがあります。
手の症状が出てくる膠原病として、ここでは「混合性結合組織病(こんごうせい けつごうそしきびょう)」を紹介させて頂きます。

混合性結合組織病(こんごうせい けつごうそしきびょう

とても長くて難しい名前で恐縮です。この病気は名前に「混合」とついているように、3つの膠原病が混じり合った色々な症状がでてくる病気になります。 リウマチのように、手首や指に痛みや腫れを起こしたり、手指全体がパンパンに腫れて痛くなるのが特徴です。

そんな混合性結合組織病を見つけるポイントは、

  • 「冷たいものに触ると、指が真っ白に冷たくなる」
  • 「指全体が腫れてソーセージのように膨らんでいる」
  • 「皮膚が硬くなり、指や手の甲の皮膚がつまめない」
  • 「両頬~鼻にかかて赤い湿疹がある」
  • 「運動もしていないのに、筋肉痛が続く」
などになります。

混合性結合組織病は、肺や心臓、神経、胃腸など色々な内臓の検査や治療が必要になりますので、ご心配な方は総合病院の膠原病科にご相談される宜しいかと存じます。