関節リウマチQ&A

関節リウマチQ&A

みなさんは関節リウマチと聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか?「痛くて関節が曲がってしまうのよね」「寝たきりになってしまう難病でしょ?」などなどこれらのイメージは10年前のリウマチの状況で、現在は大きく変わりました。検査・治療が非常に進歩し、リウマチを早期に診断し、一人一人に合ったお薬で痛みや変形の起きない治療を目指すことができるようになったのです!

「手首が痛くなくなったから、孫を初めて抱っこできたよ」「リウマチで一度はあきらめていた赤ちゃんが無事生まれて、本当に嬉しいです」「痛みが無くなって元の体に戻ったようです、仕事にも復帰できましたよ」などの声をお聞きし、医師になって本当に良かったなと感じながら日々リウマチ診療をさせて頂いております。

リウマチの原因は何ですか?

原因は1つではありません。「タバコ」、「歯周病」、「女性ホルモンの変化」、「ケガ」、「妊娠出産」、「遺伝」、「感染症」など、いくつもの原因が重なり合って起きると考えられます。

解説)

リウマチは、本来自分の体をウイルスなどから守ってくれる免疫細胞が、手や足など自分の関節を攻撃してしまう病気です。ではなぜ、味方であったはずの免疫細胞が、私たちを攻撃してくるのでしょうか?その原因は1つではなく、色々なものが重なり合って起きると考えられています。
それが、「タバコ」、「歯周病」、「女性ホルモンの変化」、「ケガ」、「妊娠出産」、「遺伝」、「感染症」などになります。イメージとしては、体を守る為に頑張ってくれていた免疫細胞に、これらの刺激やストレスが溜まっていき「もう、我慢の限界だよ!」と暴れ出してしまう感じでしょうか。
普段の食生活や運動不足などの影響が大きい、糖尿病や高血圧などの生活習慣病。また手洗いやマスクを忘れてしまっておきる、風邪や胃腸炎。このような病気とは違って、リウマチの場合にはご本人に何か落ち度があったわけではありません。
ぜひ、ご自分を責めたりせずに、前向きに受け止めて頂けると幸いです。

リウマチは予防ができますか?

これだけを気を付ければ、完璧に予防できるといったものは、分かっていません。
その上でできる予防としては、「禁煙」と「歯周病ケア」になります。

解説)

糖尿病であれば食事制限や運動、ダイエットで予防。風邪であれば手洗いやマスクで予防などが期待できます。しかし、リウマチの場合にはこれだけやっておけばOKという予防はありません。
それは、リウマチの原因には、もって生まれた「体質」や、「女性ホルモン」の変化、「ケガ」や「出産」などの環境の変化など、色々なものが重なっているからです。
そんな中でも、ご自分でできる予防という面では「禁煙」と「歯周病ケア」になります。
どちらもあまりリウマチとは関係無さそうですが、実は「タバコの物質」や「歯周病菌」が原因となって免疫細胞が暴れ出し、リウマチを引き起こす事が分かってきました。
皆さんご存知のとおり、タバコはリウマチ以外にも肺ガンや心筋梗塞(しんきんこうそく)などの病気の原因にもなります。なので、タバコを吸われている方は、ぜひ禁煙をお願いさせて頂きたいです。
また歯周病は、酷くなると歯茎が腫れたり血が出たりといった歯槽膿漏となりますが、最初の頃は何の症状もなく気が付きにくいので注意が必要です。
歯医者さんに行くと、歯周病のチェックをしていただけますので、ぜひ定期的にチェックをして歯周病予防をして頂けると幸いです。

リウマチは遺伝しますか?

確かに遺伝の影響はありますが、ほんの少しだけです。
そこまで気にし過ぎないで頂けると幸いです。

解説)

リウマチに関係する遺伝子というのが確かにあります。しかし、それは1つではなく、複数の遺伝子がそろって初めてリウマチが起きると考えられています。

リウマチの患者さんのうち、ご家族の中にもリウマチの方がいらっしゃるのは1%と言われています。つまり、リウマチ患者さんが100人お集まりになると、そのうちご家族もリウマチの方は1人しかいらっしゃらないイメージになります。
遺伝はあるけどほんの少しだけで、心配になるような高い確率ではありません。どうか心配し過ぎないで頂ければ幸いです。

リウマチが心配な時、何科を受診したらいいですか?

「リウマチ科」になります。
そしてぜひ受診前に「ホームページ」を確認して頂き、「お電話」で相談されるのがお勧めです。

解説)

実はリウマチの診断というのは難しく、「関節エコー検査」「血液検査」などの新しい検査や、「リウマチ専門医の診察」を組み合わせて行われます。また治療もここ十数年で飛躍的に進歩しましたので、この新しい検査や治療ができるリウマチ専門医の先生に診て頂く事が、とても大切です。
そこで、まずは「リウマチ科」で病院を検索して頂き、その上で病院のホームページの「リウマチの事」が書かれている部分を見て頂く事がお勧めです。「関節エコー検査」ができるのか、「リウマチ専門医」の先生のお人柄など、参考になるかと思います。
その上で、お1人お1人の病状や状況よって、私たちの様なクリニックへの受診が良いのか、それとも全身の検査ができる総合病院への受診が良いのかが異なってきます。受診される前に、まずお電話に相談され、ご予約を取られる事がお勧めです。

リウマチの初期症状はなんですか?

「手の指」、「手首」、「足の指」、「足の裏」の痛みがポイントです。さらに2か所以上の関節が痛い場合には、リウマチの可能性が高まります。

解説)

リウマチで最初に痛くなる関節は、「手の指」>「手首」>「足の指」「足の裏」の順番となり、多くのリウマチ患者さんで、このどこかに痛みが出ています。
さらに、痛みだけでなく、関節が腫れている場合には、リウマチの可能性がグンと高くなるので注意が必要です。
気になる方は、「リウマチ初期症状チェックシート」もご参照くださいね。

→「リウマチ症状チェックシートへ」

リウマチに対して、自分でできる事はありますか?

まずは「お薬」と「通院」をしっかり継続して頂く事が何より大切です。
その上で「バランスの良い食事」、「無理のなく体を動かす事」、「禁煙」、「歯周病ケア」がお勧めです。

解説)

皆さんのリウマチを良くする為に、一番大切な事は、「リウマチのお薬をきちんと継続して使って頂く事」と「リウマチ専門の先生に、月1回受診をして頂く事」になります。
リウマチのお薬を止めてしまうと、多くの方がリウマチを再発されてしまいます。また、安全で適切な治療をするために、月1回の定期受診が何より大切になります。
その上で追加させて頂くと、食事に関しては、ついつい用意が簡単な、パンやめん類などが多くなり、炭水化物を摂り過ぎがちなので注意しましょう。その代わりに、しっかりお魚や野菜、キノコなど、おかずからたんぱく質やビタミンをバランスよく取るようにしましょう。
また、痛い時は安静が大切ですが、痛みが良くなってきたら、無理をしない程度に散歩やストレッチなど体を動かし筋肉が落ちないようにする事がおすすめです。
あとは、「タバコ」と「歯周病」がリウマチに悪い事が分かっておりますので、ぜひ「禁煙」とお近くの歯医者さんでの「歯周病ケア」をして頂けると幸いです。

リウマチでも元気に長生きできますか?

はい、リウマチそのものは命に関わる病気ではありません。
ただ、リウマチの勢いが強い状態が何年も続くと、心筋梗塞や脳梗塞などを起こしやすくなるので、リウマチ自体をしっかり治療する事が大切です。

解説)

リウマチは手や足の関節が痛くなり、きちんと治療しないと変形を起こしてしまう病気ですが、それ自体が直接命にかかわる病気ではないので安心してください。
ただ、リウマチの炎症が強い状況が何年も続くと、体のあちこちで動脈硬化が進んでしまい、血管が詰まって、「脳梗塞」や「心筋梗塞」など命に関わる事がある病気を起こしやすい事が分かっています。
また痛みで運動量が減ってしまうと、「糖尿病」などの生活習慣病になったり、骨がスカスカになり骨折をしやすくなる「骨粗しょう症」になったりしてしまいます。
なので、リウマチをきちんと治療して、痛みのない良い状態を保つ事が、元気で長生きする為にも大切なんですね。

リウマチの通院のペースはどんな感じですか?

リウマチの検査やお薬を使い始めたばかりの頃は1-2週間に1回、リウマチが安定されたら月1回の通院ペースになります。

解説)

リウマチかも?と思われ、初めて病院を受診された方は、特殊なリウマチの血液検査を行い、その結果がでるのが最短で1週間かかります。
その結果、リウマチと診断がつくと、リウマチ専用のお薬で治療が始まります。最初は飲み合わせなど見ながら、慎重にお薬を調整させて頂きますので、2週間程度で通院して頂く事が多いです。
その後、お薬がバッチリ効いてきて、リウマチが安定されてきたら、月1回の定期受診となります。1カ月間で痛みがどうだったかや、気にになる点などを教えて頂き、一緒にリウマチのお薬の飲み合わせなども確認しながら、リウマチの良い状態が続くように治療をしていきましょう。

リウマチが心配な時、どんな検査になりますか?

「リウマチ専門医」による手足の診察、「関節エコー検査」、「血液検査」などを、組み合わせてリウマチの検査が行われます。

解説)

リウマチ専門医の診察の時には、「触診(しょくしん)」といって、医師が痛い関節を1つ1つ触ったり押したりして、腫れていないかを確認をさせて頂きます。
その後、「関節エコー検査」で痛い関節や、リウマチが起きやすい関節を詳しく検査していきます。その時は、痛みのある関節に超音波をあてて検査するので、手やかた、ひざ、足の指、などを出しやすいお洋服がお勧めです。
そして、血液検査も必要だと思われた方には、リウマチの診断に関係する項目や、治療を始める時に必要な感染症などの血液検査を行わせて頂きます。この血液検査が大体1週間で結果がでますので、1-2週間後にお越し頂き、結果の説明をさせて頂くイメージになります。
また、必要な方にはCTやレントゲンなどの肺の検査を行ったりします。
リウマチかどうかを丁寧に慎重に検査し、安全に治療する為に、お1人お1人に合わせて色々な検査が組み合わせているんですね。

「リウマチ性多発筋痛症」と「リウマチ」は違うんですか?

名前は似ていますが「違う病気」になります。
「リウマチ」は手や指の小さな関節の痛み、「リウマチ性多発筋痛症」は首肩腰などの筋肉痛がメインになります。お薬もちょっと変わってきますよ。

解説)

2つとも名前が似ていてややこしいですよね。
両方とも免疫細胞が暴れて痛みを出す病気なのですが、・「リウマチ」は、30-60歳の女性に多くて、手首や指、足の指などの小さな関節が痛くなり、治療しないと指が曲がったりなどの変形を起こしてきます。
・「リウマチ性多発筋痛症」は、ご高齢の方に多く、ある日突然に肩・首・腰などの大きな関節や筋肉が痛くなり、寝返りも打てなくなってしまうのが特徴です。
また治療も、リウマチの場合にはリウマチ専門のお薬になりますが、リウマチ性多発筋痛症の場合にはプレドニンなどのステロイドの飲み薬がメインになります。

リウマチに温泉は良いのでしょうか?

温泉の「体を温める効果」や「リラックス効果」が、リウマチの痛みやこわばりを緩和してくれると言われています。

解説)

旅先の温泉の効能効果をみると、リウマチと良く書かれている事が多いかと思います。
昔から、温泉に入るとリウマチの痛みやこわばりが良くなる事が知られてきました。
温泉で体が温まる事で、関節や筋肉がほぐれこわばりが良くなったり、血流が改善されて痛みが良くなったりします。
温泉成分のリウマチへの効果については、まだ科学的に分かっていない点も多く、どれがリウマチに良いとまでは言いきれません。
ただ、少なくとも温泉に入る事でリラックスし、交感神経の興奮が治まることで、痛みが緩和される事が期待できます。
注意としては、関節が熱をもってすごく腫れている時は、温めると逆効果になってしまう事があります。そんな時は冷やして安静にしましょう。
また硫黄や酸性などの強い成分の温泉は、人によって合わない事がありますので、長湯しないように気を付けながら、温泉を楽しんでくださいね。

リウマチのお薬はやめられますか?

どうか、お薬はやめないでください。薬を止めると、高確率でリウマチが再発してしまいます。痛みや変形の無い将来の為にも、お薬を継続して頂ける事を切に願います。

解説)

一昔前と違い、新しいリウマチのお薬が沢山登場し、多くの方がリウマチの痛みや変形が無くなるようになりました。
リウマチがすっきり良くなると、お薬を減らせないかな?と思われるお気持ち、とても良く分かります。ただ、リウマチを引き起こす免疫細胞が体からいなくなったわけではありません。お薬によって、暴れていた免疫細胞が大人しくなり、体の中でジッとしているのをイメージして頂ければと思います。なので、もしリウマチのお薬を止めてしまったりすると、また免疫の細胞が暴れ出してリウマチを再発してしまいます。
リウマチが再発すると、治療も最初からになってしまいますし、何よりお薬が効いてくるまでの数か月、痛みに耐えなくてはならず、この間に変形が進んでしまう可能性が出てきます。
さらに、今まで効果があったお薬が、再発したリウマチには効き目が悪くなってしまう事もあります。
将来にわたってリウマチが落ち着いている状態を続け、元気で安心して生活できるように、どうかお薬と診察をご継続頂けると幸いです。

リウマチになっても、仕事は続けられますか?

お薬の治療でリウマチが良くなる可能性が高いので、なるべく今のお仕事をご継続頂ければと思います。

解説)

一昔前は、お薬の効果が今ほど無かった事もあり、治療をしていてもなかなかリウマチの勢いを抑える事ができませんでした。そのため、お仕事を辞めて頂き家で安静にして頂く事もありました。また多くの方が、手足の痛みや変形の為に、お仕事を続けることができなくなっておられました。
しかし、ここ十数年で、新しいリウマチのお薬が沢山登場し、大多数の方がリウマチと診断され治療が始まると、数か月後には痛みも良くなるようになりました。ですので、すぐにお仕事を辞められるのではなく、できれば少し仕事を減らして頂いたり、お休みなどを頂きつつ、現在のお仕事を継続頂ければと思います。
そして徐々にお薬が効いてきて、リウマチの痛みが良くなるのに合わせて、お仕事をもとに戻していって頂ければと思います。
もちろん、非常にリウマチの勢いが強く、現在のお薬でも治療に難渋される方や、手足に負担の大きいお仕事の方もいらっしゃり、お1人お1人で状況は異なります。
なので、お仕事の事についても、ぜひ僕らリウマチ専門医にご相談頂ければと思います。

リウマチでも妊娠や出産をしても大丈夫?

リウマチをお持ちの方でも、元気な赤ちゃんを安全に生む事ができるようになってきています、どうぞご安心ください。

解説)

妊娠や授乳中も使えるリウマチのお薬の種類が、ここ十数年で増えました。そのため、多くの方がリウマチを上手に治療しながら、元気な赤ちゃんをお産みになられていますので、どうぞご安心ください。
近々ご結婚の予定や、お子さんを考えられている方は、ぜひ僕らに早めにご相談くだい。その場合には、妊娠や授乳中も安心なリウマチのお薬に変更をさせて頂きます。特に、飲み薬で一番多く使われているメトトレキサートは、妊娠前に止めなければならないので、ご注意下さいね。
また、できれば妊娠を計画される前に、リウマチをしっかり治療をして良くしておく事もお勧めです。実はリウマチが落ち着くと、胎盤の状況が良くなるようで、妊娠しやすくなる事も分かっています。
リウマチの痛みがなく良い状態で、安心して妊娠出産にのぞんで頂けるよう、僕らも精一杯お力添えさせて頂きます。

血液検査の見方を教えてください

血液検査は、「リウマチの診断に役立つ初診時の検査」と、「リウマチを治療をするのに役立つ定期検査」の大きく2つに分けられます。

解説)

リウマチ血液検査は、「初診時の検査」と「月1回の定期受診の検査」で大きく2つに分けられます。
①「初診時の検査」

  • 「リウマチかどうか?」「リウマチ以外の病気がないか?」という事を目的とした血液検査になります。

「リウマチかどうか?」

  • …抗CCP抗体、RF

「リウマチ以外に、膠原病(こうげんびょう)や肺の病気、感染症が隠れていないか?」

  • …抗核抗体(膠原病)、KL6(肺の病気)、Tspot(結核)、HBs抗原・抗体・HBc抗体(B型肝炎)

②「月1回の定期受診の検査」

  • 「リウマチかどうか?」「リウマチ以外の病気がないか?」という事を目的とした血液検査になります。

 
「リウマチは落ち着いているか?」

  • …CRP、MMP3

 
「何か体でトラブルは起きていないか?」

  • …AST・ALT(肝臓)、Cr(腎臓)、LDL(悪玉コレステロール)、Hb(貧血)、WBC(白血球の数)、KL6(肺) βDグルカン(カビ)

  
皆さんの血液検査結果を見る時に、少しでも参考になると幸いです。

お酒やタバコは大丈夫?

お酒は飲み過ぎない程度で、タバコはぜひ禁煙をお願いいたします。

解説)

お酒は直接リウマチと関係は無いですが、タバコはリウマチを悪くする原因として知られています。
特に、男性のリウマチの方では、タバコがリウマチを発症するきっかけになる事が多い事が分かっています。また、タバコはリウマチ以外にも癌や心筋梗塞など多くの病気の原因になりますので、ぜひこの機会に禁煙をして頂ければと存じます。
一方、お酒はリウマチとはあまり関係はありませんので安心してください。ただ、飲んだお酒は肝臓で分解されますが、リウマチのお薬も肝臓で分解されるものが多いです。なので、リウマチのお薬で治療をしながら、お酒の量も多いと、肝臓が疲れて悪くなってしまう事があり注意が必要です。
週1日は休肝日を設けて、お酒を飲み過ぎないで肝臓を大切にして頂けると幸いです。

初期のリウマチはレントゲンでは分からないんですか?

はい、初期のリウマチはレントゲンでは分からない事が多いです。
ぜひ「関節エコー検査」で調べる事がお勧めです。

解説)

レントゲンは骨が良く映りますが、残念ながら、最初にリウマチが起きる関節の中を見る事が苦手です。なので、「レントゲンで骨は正常」でも、実は「初期のリウマチ」が起きている事がよくあります。
そこで登場したのが、関節エコー検査になります。これは、リウマチが最初に起きる関節の中を見る事が出来るので、初期のリウマチでもしっかり見つける事ができます。
検査も簡単で、診察室などその場ですぐにできます。リウマチの診断にとっても役立ち、欠かせない検査になります。
もし、皆さんがレントゲン検査を受けられて骨は大丈夫でも、手や指の痛みや腫れが続く場合には、初期のリウマチの可能性があります。そんな時はぜひ、関節エコー検査を受けられる事がお勧めです。
まずはクリニックのホームページを見て頂き、関節エコー検査のできるリウマチ専門クリニックを探されると良いかと思います。

健康診断でRF陽性(リウマチ因子)と言われました、どうしたらよいですか?

手や足の痛みが無い場合には、あまり心配ありません。
もし痛みがある場合には、僕らの様なリウマチ専門医にご相談してみてくださいね。

解説)

健康診断を受けて、リウマチの検査で引っかかってしまう方が、多くいらっしゃいます。
もし手足に痛みが無い場合には、ほとんど問題ありませんので、そんなに心配し過ぎないでください。
実は健康診断で検査して頂く「RF(リウマチ因子)」は、リウマチではない方でも陽性になってしまう事がよくあるんです。
健康な方が10人集まると、2人位でRF(リウマチ因子)が陽性になってしまうと言われています。
なので、健康診断で引っかかったから、すぐにリウマチだというわけではないので安心してくださいね。特に、手足に何の症状も無い場合には、様子を見られても良いかと思います。
もし手足に痛みや腫れがある場合には、リウマチの可能性を考えて、僕らの様なリウマチ専門クリニックに一度ご相談されるのがお勧めです。

最新のリウマチ治療ってなんですか?

リウマチをその仕組みから考え、ピンポイントで治療する「生物学的製剤」や「JAK阻害剤」という、リウマチに非常に良く聞く最新のお薬が登場しています。

解説)

一昔前は、リウマチというと、手や指の痛みが治まらず、変形が進んでしまう難病というイメージでした。そんな状況を一変させ、リウマチの痛みを無くし、将来的に手指が変形してしまう心配をグンと減らしてくれたのが、「生物学的製剤」(せいぶつがくてき・せいざい)という注射のお薬の登場になります。
これは今までのお薬と違って、リウマチの仕組みから考え、「ここを狙って治療したら、リウマチが凄く良くなるはず!」という画期的なアイデアのお薬になり、リウマチにとっても良く効きます。
そのため、今までの飲み薬では痛みが良くならなかった方でも、この生物学的製剤を追加する事で、リウマチの痛みが凄く良くなるようになりました。
また、最近では「JAK阻害剤」という、飲み薬タイプの狙いを絞った治療薬も登場してきています。
今までの飲み薬で完全には痛みが良くならず、「仕方ないな」と諦めていたリウマチの皆さんに、ぜひ更に良くなる新しい治療がある事を知って頂き、僕らがそのお力になれたら嬉しいです。

リウマチで変形が起きてしまったら、どうなりますか?

起きてしまった変形は元に戻りませんが、変形がさらに進めないように、お薬を調整しリウマチを治療する事が大切です。

解説)

リウマチは自分の免疫細胞が、手や指などの関節で暴れて、痛みや腫れを起こす病気になります。そして重要なのは、治療をせずほっておいたりすると、骨や軟骨が壊されて、手や指、足などの関節が変形してしまう事です。
手や指が変形すると、お箸を持ったりなどの日常生活が不自由になってしまいます。足が変形してしまうと、クツが合わなくなったり、痛みで歩くのが困難になってしまう事があります。
起きてしまった変形は、飲み薬では治りませんのが、それ以上進行しないようにお薬を調整する事が大切です。また症状が強い場合には、整形外科さんで手術などになります。
また、昔はリウマチのお薬が、現在ほど効果がなかったので、多くの方が手足に変形を起こされて手術を受けられていました。しかし、現在では飲み薬が画期的に進歩し、リウマチで手足の変形を起こす方が少なくなり、手術になる方も大幅に減りましたので、どうぞ安心してくださいね。
大切なのは、リウマチの早期診断と早期治療、そして再発しないように痛みが良くなったあとも定期通院と治療を続けて頂く事になります。

~最後までお読みいただきありがとうございます~

医師になり10年たちましたが、私が医師を目指したのは大好きな祖父のリウマチを良くしたいという思いからでした。医師になってからもリウマチを専門に日々勉強してきました。少しでもリウマチの皆さんのお力になれることが幸せです。ぜひ一緒に治療をし、痛み・変形の不安のない笑顔の日々を目指しましょうね。