注射(生物学的製剤)の効き目が悪くなった方へ

注射の治療(生物学的製剤)を始めてリウマチが落ち着いていたのに、ここ数か月で痛みや腫れがまた出るようになったという方はいらっしゃらないでしょうか?
もしかしから、「2次無効」という生物学的製剤が効かなくなってしまう事がおきているかもしれません。

リウマチが残っている3つのポイント

注射が効かなくなる2次無効ってなに?

生物学的製剤は、リウマチの原因であるサイトカインという物質をピンポイントで狙って治療する「リウマチの特効薬」のようなお薬になります。
そのためメトトレキサートなどの飲み薬以上にリウマチに効果があり、妊娠や授乳中も使えるなどの強みがあります。
ただ弱点もあって、それが注射が徐々に効かなくなってしまう「2次無効」という現象です。
これは生物学的製剤を使っているうちに、体が生物学的製剤の成分を排除する中和抗体というものを作ってしまう事が原因と言われています。一度この中和抗体というのが出来てしまうと、生物学的製剤を使ってもすぐに体から排除されてします。
そうすると、次の注射まで効き目が持たなくなり、痛みは腫れが出るようになります。

2次無効を防ぐには?

そんな2次無効を防ぐには、中和抗体がなるべくできないようにする事が大切だと言われています。
そのためには、
・なるべく中和抗体ができにくい生物学的製剤を選ぶ
・中和抗体ができないように飲み薬メトトレキサートを一緒に使う
・生物学的製剤を予定日にきちんと注射する
といった工夫があります。

特に一番古い生物学的製剤であるレミケード点滴は、中和抗体ができやすいと言われています。
レミケードの点滴をしていて、痛みや腫れが出てきた方は、一度この2次無効を考えてみると良いかと思います。

注射が効かなくなったらどうする?

それでも2次無効がおきて注射が効かなくなってしまう事もあります。
その場合には、他の生物学的製剤に変更すれば、また注射がちゃんと効くようになりますので安心してください。そしてその新しい生物学的製剤がまた効かなくならないように、主治医の先生と相談してメトトレキサート一緒に使ったり、予定日にきちんと注射をするなど、新しい生物学的製剤を大切にして頂けると良いかと思います。
他の生物学的製剤に変更する以外の方法としては、今使っている生物学的製剤の量や頻度を増やる範囲で増やす、メトトレキサートなどの飲み薬を増やすなどの方法もあります。

生物学的製剤の効き目がなくなったかなと気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひ僕らのようなリウマチ専門医にお任せください。紹介状などはいりませんので、お気軽にご相談くださいね。