ふたが開けられない

ふたが開けられない

「午前中は、手が動きにくいです」
「朝は指に力が入らなくて、お化粧がしにくいです」
「寝起きは指が動かず、スマートフォンが使いずらいです」
などなど。
日常生活の動作のしにくさの中に、リウマチを始めとした病気が隠れていることがありますので、ご紹介させて頂きますね。

リウマチ(=関節リウマチ)

リウマチは本来の味方である免疫細胞が、間違って自分の手や足の関節を攻撃してしまう病気になります。そのため、手や足に痛みや腫れがでて、さらに進行すると骨が壊れて手足の変形が起きてしまう事があります。

また、「朝の手足のこわばり」というのもリウマチによく見られます。そんな手足のこわばりが、日常生活で現れる場面をまとめると

  • 朝はドライヤーやブラシが持ちにくい
  • ペットボトルのふたが開けられない
  • つり革やカバンを握りにくい
  • スマートフォンを操作しにくい
  • パソコンの入力がしにくい
  • 靴が入らない、足先に違和感がある
などになります。
そして、これらの動作のしにくさが、お昼ごろには自然に良くなるのが特徴です。

こんな日常動作のしにくさに加えて、手や足の関節の痛みや腫れがある場合には、初期のリウマチの可能性があります。そんな時はぜひ、お近くのリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。

変形性関節症(へんけいせい・かんせつしょう)

日常生活の動作のしにくさで、一番頻度が多いのが、この変形性関節症を始めとする加齢からくる症状になります。

手の指、肩、ひざ、首、腰など、年齢を重ねるにつれて関節の骨と骨の間にある、軟骨がだんだん少なくなっていきます。イメージとしては、つるつるした石鹸がだんだん小さくなっていく感じでしょうか。
そうすると骨と骨のすき間がなくなって、関節の滑りが悪くなったりして、手足の動かしにくさがでてきます。

リウマチと違うのは、朝~午前中に限らず一日を通して手足の動かしにくさの症状がある事、動かさなければそんなに手足の痛みがない事です。

この変形性関節症は、整形外科さんがご専門となります。症状を和らげるリハビリやヒアルロン酸注射などで治療が行われます。気になる方は、お近くの整形外科クリニックさんにご相談してみてくださいね。

膠原病(こうげんびょう)

頻度は低いですが、膠原病と呼ばれる免疫のバランスが崩れて起こる病気でも、手足が動かしにくく日常生活の動作がしにくくなることがあります。

その中の一つに、強皮症(きょうひしょう)という膠原病があります。
これは免疫細胞などが皮膚で悪さをして、最初は指や手の甲がむくんで、そのあとむくみが取れると皮膚が固くなる病気です。そうすると手足を曲げようとしても皮膚が伸びず、日常の動作もしにくくなることがあります。

強皮症を見つけるポイントは、

  • 手の甲や指の皮膚が固く、つまみにくい
  • 水仕事など指が冷えると真っ白くなる
  • 指や手全体が浮腫んで腫れている
などになります。

この強皮症を始めとした膠原病は、肺や心臓や腎臓など手足以外にも体全体に症状が出る事があります。なので、体全体を診る事ができる、総合病院の膠原病科にご相談されると良いかと思います。