40歳 女性 手の痛み

40歳 女性 手の痛み

「手首が痛くて、包丁が使えない」
「朝起きると指がむくんで動かない」
「手首がずっと腫れて痛みが続いてる」
など、手の痛みでお困りの40歳代の女性の方も多いかと思います。

40歳代は、お子さんが入学されて仕事に復帰しパソコンや手作業などをするようになったり、日々の掃除や料理で手をよく使ったりと、手の痛みが出てしまう事が多い年代になります。
また40歳を過ぎると女性ホルモンが減り始めるので、初期の更年期症状として手の痛みやこわばりが出てくる時期にもなります。
さらに関節リウマチなどの免疫の病気や、甲状腺ホルモンの低下などの病気も出始める時期で、これらの病気で手が痛くなる事もあります。
そんな40歳代の女性の方にみられる手の痛みの原因を紹介させて頂きます

~40歳代 手が痛いときに考える病気~

関節リウマチ

ぶつけてケガをしたり、手首をひねったりした覚えもないのに、手首や指の痛みが続いている時に、考えられるのが「関節リウマチ」になります。
リウマチは、手首や指、足首や足指などが腫れて痛くなってしまう免疫の病気になります。そして早く治療しないと、手や指が変形して動かなくなってしまう事もあります。なので「手が痛い時にはまずリウマチかどうか?」を考えて頂ければと思います。

中には「リウマチは高齢者の病気でしょ、私はまだ40代だから大丈夫」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かにひと昔前まではリウマチはご高齢の方に多い病気だと思われていましたが、実は30~50歳でリウマチになる方が多く、その中でも40歳台が一番多い事が分かってきました。
また全国で100万人前後のリウマチ患者さんがいらっしゃると言われており、100人集まるとお1人リウマチ患者さんがいらっしゃる頻度になります。けっして稀な病気ではないので注意が必要ですね。

そんな40歳代に多いリウマチですが、その初期症状として一番多いのが、「手の痛み」「指の痛み」になります。

リウマチを考えるポイントとしては、

  • 「手や指の痛い関節がぷっくり腫れている」
  • 「腫れている関節を触るとプヨプヨ柔らかく膨らんでいて、押すと痛い」
  • 「1か所だけでなく、足の指やひざ、ひじ、反対の手など複数の関節が痛い」

になります。

特に痛い関節が見た目にも腫れている場合にはリウマチの可能性がグッと高まるので、ぜひリウマチの検査をしてみてくださいね。

その結果、もしリウマチであったとしても安心してください。ここ数十年でリウマチの最新治療は凄く進歩して、効き目の良いお薬が沢山でてきました。治療によってほとんどの方が痛みや腫れがなくなり、今まで通りの仕事をしたり家事をされたりと、元通りの生活に戻られています。

そんなリウマチの最新治療で大切なのは、骨にダメージがでて手指が曲がってしまう前に、早期にリウマチを発見することです。この早期発見するのに一番役立つのが「関節エコー検査」になります。エコー検査というと、妊婦検診の胎児エコーや人間ドックのお腹エコーでお馴染みの、痛くもかゆくもない安心な検査です。この関節エコー検査で痛みのある手や指を調べると、関節の中で炎症が起きているかが分かるので、リウマチを早期に見つける事が出来ます。これは従来のレントゲン検査では分かりません。

リウマチかも?と思われたら、ぜひ「関節エコー検査」ができるお近くのリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。

バネ指
  • 「指を伸ばしにくい」
  • 「指を曲げて伸ばそうとすると引っかかる」
  • 「手のひらの指の付け根が痛い」

など指を伸ばすときに症状が出るのが、バネ指になります。
手首から指に向かって、腱(けん)という紐のようなものが指1本1本についています。この腱が動く事によって、指を曲げたり伸ばしたりできるのですが、この腱の動きが悪くなってしまうのがバネ指になります。
パソコン入力や梱包などのお仕事、草むしりや縫物などの家事で指を沢山使う方によく見られます。また出産後や更年期症状など女性ホルモンの変化でも起きるので、ちょうどお仕事や家事で忙しく、また更年期症状が少しずつ出てくる40歳台の方に起きやすい病気になります。
治療は整形外科さんで指の付け根にステロイドの注射をします。何回も繰り返す場合には手術をすることもあります。

また注意するのは、バネ指の原因としてリウマチが隠れていることがある事です。

バネ指の症状だけでなく、

  • 「バネ指以外の指も痛くて腫れている」
  • 「手首も痛くて腫れている」
  • 「足の裏が痛い」

などの場合にはリウマチが隠れている可能性があり、リウマチ専門のお薬での治療が必要です。気になる方はリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。

ドケルバン病
  • 「親指が伸ばせない」
  • 「親指の付け根~手首が痛い」

など親指と、その下の手首の痛みで多いのが「ドケルバン病」です。
親指のすぐ下の手首には、親指を動かすときに使う腱(けん)があります。この腱が炎症を起こすと、親指を動かすときに痛みがでたり、親指が動かしにくくなってしまいます。
このドケルバン病は、親指をよく使う方に多く、パソコン操作や家事やお仕事、さらには育児などで親指を使う事が多い40歳代の方にもよく見られます。
さらに最近では、スマートフォンを親指で長時間操作してドケルバン病になる方が増えているので注意しましょう。
ドケルバン病には自分でチェックする方法があります。まず親指を中に入れて手を握り、そのままゆっくり小指の方に傾けて見ましょう。これが痛くてできない方は、ドケルバン病の可能性があります。
その場合には、整形外科さんがご専門となりますので、一度ご相談されると良いかと思います。
痛み止めの湿布や、ステロイドの注射で治療をし、繰り返す場合には手術などの治療があります。

手根管症候群
  • 「親指~薬指がビリビリ痛い」
  • 「朝手がしびれて目が覚める」
  • 「小指は症状がない」

といった場合には「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」という病気が考えられます。 手首のちょうど真ん中に、手根管というトンネルがあって、その中に正中神経という神経があります。この正中神経は、手首を通って、親指~薬指までの感覚を伝えるお仕事をしています。

手根管症候群になると、手首にある手根管というトンネルが狭くなって、中を通っている正中神経がつぶされてしまうため、親指~薬指にビリビリした痛みが起きてしまいます。 「小指は症状がないのに、親指~薬指の4本に痛みやしびれがある」というのが、手根管症候群の特徴ですね。

手根管症候群は手首をよく使う方に多いのですが、それ以外にも「関節リウマチ」「甲状腺機能低下症」「更年期」「糖尿病」など40歳前後から出てくる病気や体の変化が原因で起きてくることがあるので注意しましょう。

特に、手根管症候群に加えて、

  • 「手の甲側の手首も痛い」
  • 「足首や足の指も痛い」
  • 「ひざが腫れて痛い」

などの親指~薬指以外にも、痛みや腫れがある方はリウマチの可能性があります。その場合にはリウマチ専門の治療が必要になりますので、お近くのリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。