手首が腫れている

手首が腫れている

特にぶつけた覚えもないのに、 「手首が痛くて曲げられない」
「手首が膨らんで痛い」
「手首が浮腫んで痛い」
などなど、手首の腫れでお悩みの方はいらっしゃいませんか?

手首が痛いだけでなく腫れている場合は要注意。関節の中で炎症が起きていて、リウマチなどの病気が原因の可能性がグッと高くなります。

手首が腫れているか自分でチェックできる3つのポイント

①「痛みのある手首を、反対の手で軽く挟んで押してみよう」
軽く押すと手首が凹んで、痛みが強くなる場合には、手首が腫れている事を教えてくれています。凹むけど痛みが無い場合には、腫れではなく浮腫みになるので参考にしてみてください。

②「反対の手首と見比べてみよう」
手首をよく見ると皮膚のシワがあります。でも手首が腫れると、膨らんで皮膚が引っ張られるので、手首のシワが薄くなり見えなくなります。反対の痛くない手首とシワに違いが無いか見比べてみましょう

③痛い手首を触ってみよう」
腫れている関節の中では炎症が起きているので、熱を持っている事があります。痛い手首をさわってみて、手の甲や反対の手首と比べて熱い場合には、手首が腫れている可能性があります。

手首が腫れている時に考えられる病気の紹介
リウマチ(関節リウマチ)

リウマチと言う病気を、もしかしたら耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。よく温泉や入浴剤の効能にも良く書いてありますね。 このリウマチという病気を一言でいうと、体の中にある免疫細胞が、手や足の関節の中で暴れて痛みや腫れを起こしてしまう病気になります。 リウマチは実はそんなに珍しい病気ではなくて、100-200人に1人リウマチの方がいらっしゃいます。皆さんの周りにも、実はリウマチをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。 このリウマチの特徴は、あちこちの手や足が腫れて痛くなる事、更に治療しないでほっておくと骨が壊されて手や足が変形してしまう事です。 なので早期診断と早期治療が大事なのですが、一昔前まではレントゲン検査しかなく、手足が変形してからようやく診断となっていました。 またようやく治療が始まっても、当時は良い薬があまりなかったので、痛みや腫れが良くならず変形を食い止める事が出来ませんでした。 そのため、少し前まではリウマチというと手足が曲がって使えなくなったり、寝たきりになってしまう怖い病気でした。 でも安心してください!ここ10年でリウマチの検査や治療は凄く進歩したのです! 昔のレントゲン検査に変わって、最新の「関節エコー検査」が登場し、手足が変形する前にリウマチを早期に発見することが出来るようになりました。 またお薬も「生物学的製剤」「メトトレキサート」など最新のものが続々登場し、リウマチの痛みは腫れをしっかり治療して、変形も予防できるようになったんです。 仕事や家事や育児など、リウマチになる前と同じ生活が送れるようになりました。 そんなリウマチを見逃さない初期症状で大切なのが、この「手首の腫れ」です。 実際に外来を受診される方を診ていても、「痛み」だけではリウマチではなくて加齢や更年期症状などが原因の事も多いのですが、「腫れている」となるとリウマチの初期症状である方が多いです。 手首の腫れてお困りの皆さん、ぜひ私達にご相談くださいね。

ガングリオン

手首がポコッとピンポン玉のように丸く腫れている場合は、ガングリオンという病気が考えられます。 手首の関節の中には、滑液という液体が入っており、手首がスムーズに動くよう潤滑油の様な役割をしています。 この手首の中にある潤滑油が、手首の外に出っ張ってしまったものがガングリオンになります。 これは整形外科さんがご専門の病気となり、注射で出っ張った液体を吸い取ったり、手術で治したりされます。

膠原病(こうげんびょう)

「こうげんびょう」というのは、免疫細胞が自分を攻撃してしまう様々な病気を一まとめにした呼び方になります。その中でも、手首の腫れを起こすものに、「リウマチ性多発筋痛症」があります。 「リウマチ性」という名前がついている通り、リウマチと同じく手首が腫れて痛くなる事があります。また「多発筋痛症」という名前のように肩や首、背中、腰、太ももなどあちこちの筋肉が急に痛くなるのが特徴です。 ご高齢の方に多い病気で、ある日突然発症して、あちこち痛くて寝返りも打てないという事がよくあります。 このリウマチ性多発筋痛症は、全身の検査が必要になるので、大きな病院の膠原病科がご専門となります。