リウマチで指が変形してきた方へ

リウマチで飲み薬を飲んでいるけど、徐々に指が曲がってきたり、手首や肘が伸ばせなくなってきた方はいらっしゃらないでしょうか。

「この指の変形はリウマチが原因なのかな?」 「手首が曲げられなくなってきた」 「今よりも変形が進んで、手足が動かなくなってしまわないか心配だな」

そんな皆さんの疑問にお答えし、少しでも皆さんの安心に繋がれば幸いです。

リウマチの変形を見分けるポイント

リウマチが進行すると、手や足の関節が壊されて関節の変形が起きてきます。リウマチで良く起きる手足の変形を早く見つけられるように、ご紹介させて頂きます。

①尺側変位(しゃくそくへんい)

指の付け根の関節をリウマチが壊して、親指以外の2-5指が外側に曲がってしまいます。

②指の変形

指の第2関節が出っ張って曲がる変形(ボタン穴変形)、指の第3関節が出っ張って曲がる変形(スワンネック変形)、親指の第1関節が外側に曲がる変形(Z字変形)など、指の関節が出っ張ったり引っ込んだりと曲がってしまうのが特徴です。モノをつまんだり、握るのが大変になってしまいます。

③足指の変形

親指が内側に曲がってしまう外反母趾(がいはんぼし)、2-5の足指が上に曲がって出っ張る変形(つち指)、足指同士が重なり合ってしまう変形(重複指)などがあります。いずれも歩くときに痛みが出たり、くつが履けなくなったりしてきます。

一方で、よく相談を受けるのが、指先の第一関節の変形です。これはリウマチではなく、多くは変形性関節症という加齢に伴う軟骨の減りによる変形になります。へバーデン結節(けっせつ)と呼ばれ、リウマチの変形ではないので安心してください。

出典:症状・病気をしらべる 公益社団法人日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/heberden_nodes.html

関節エコーで変形が進む可能性があるか確認

残念ながら、一旦リウマチで変形してしまった関節は手術以外で元に戻す事は出来ません。 大切なのは、今以上にリウマチが進行して関節の変形が悪化しないようにする事です。 そのためには、今リウマチの炎症が関節に残っているのかどうかをしっかり調べる事になります。そこで役立つのが「関節エコー検査」です。

リウマチの炎症が残っていて、これからも変形が進行してしまう可能性のある関節は、関節エコー検査でみると、関節に中に赤い炎症が見えます。また時には、この赤い炎症が骨の中に入り込んで、びらんと呼ばれる骨に穴をあけているのが見えたりもします。これをほおっておくと、さらに骨が破壊されて関節の変形が進んでしまいます。

もう変形してしまったから今更検査や治療をしても仕方ないと思われる方も入らっしゃるかもしれませんが、リウマチの炎症が残っていると今よりもさらに変形が進んでしまう可能性が高いので、まずはしっかり関節エコー検査でチェックする事がお勧めです。

今の治療を見直して変形を防ごう

関節エコー検査で、手足の関節の中にまだリウマチの炎症が残っていた場合、今の治療を見直していく必要があります。

お1人お1人の現在使われているお薬や状況によっても変わってきますが、アザルフィジンやリマチルなどで治療されている方は、メトトレキサートで治療が出来ないか考えます。またすでにメトトレキサートで治療されている方は、その量を増やしたり、生物学的製剤という注射のお薬を始めたりします。さらにすでに生物学的製剤で治療されている方は、他の生物学的製剤に変更したり、飲み薬を追加したりします。 これらの方法を使って、リウマチの治療をパワーアップさせて、これ以上リウマチの変形が進まないようにする事が大切です。

これ以上、手や足の変形が進むのを避けるために治療を見直したい方は、ぜひ僕らのようなリウマチ専門医にお任せください。紹介状などはいりませんので、お気軽にご相談くださいね。