リウマチの症状

リウマチはどんな症状が多いの?

①痛みの全てがリウマチと言うわけではありません

「腰が痛いなぁ、これもリウマチなのかな?」
「足がビリビリ痺れるんだよね、リウマチのせいかしら?」
など、この痛みはリウマチかも?というご相談をよく頂きます。幸いこの2つのご相談は、リウマチではありません。
確かに、「リウマチ=痛い」というイメージがあり、またこれは間違っておりません。ただ、リウマチも体のどこにでも痛みを起こすわけではなく、リウマチが起きやすい場所とそうではない場所があります。
また痛みの様子も、リウマチっぽい痛みと、そうではないものがありますので、ご紹介させて頂きますね。

②リウマチが出やすい関節ベスト3!

リウマチが起きやすい場所のベスト3、それは「指」と「手首」と「足」になります。
この3か所のどこかに、9割以上のリウマチの方で痛みが起きております。

~リウマチの痛みが出やすい関節ベスト3!~

1位:手の指
2位:手首
3位:足の指、足の裏

(4位以下)
4位:膝(ひざ)
5位:肩
6位:足首
7位:肘(ひじ)

手の指の真ん中と、つけ根に注意しましょう

もう少し詳しくご説明すると、「手の指」の中でも、一番指先の関節(第1関節)はリウマチが起きる事はまずありません。ここは、加齢によって軟骨が減った痛みである場合がほとんどです。そうではなくて、リウマチの場合には、手指の真ん中の関節(第2関節)と、指の付け根(第3関節)が痛くなる事はほとんどです。なんと9割のリウマチの方が、この指の真ん中や、指のつけ根に痛みや腫れがでてきます。指が痛いと思ったら、「指のどこが痛いのかな?指先かな?つけ根かな?」と痛い場所を確認されると良いかと思います。

手首の痛みは、リウマチ?腱鞘炎?

「手首」もリウマチの痛みがとても起きやすい場所になります。最近では、スマートフォンやパソコンを使いすぎて、腱鞘炎を起こされて手首を痛めてしまう方も多くいらっしゃいます。使い過ぎの腱鞘炎との違いは、リウマチの場合には動かさず安静にしていても痛い、痛みに加えて手首が膨らんで腫れているというのがポイントになります。痛くない反対側の手首と比べて、腫れていないかをチェックするのも良いですね。

見逃しやすい足のリウマチ

「足の指」、「足の裏」、「足首」もリウマチが起きやすい場所になります。この足の痛みで気を付けなくてはいけないのは、「足の痛みは、自分でも気が付きにくい」という点です。いつも目に入る手や指と違って、足はふだん靴下や靴を履いておりますので、なかなか見る機会が無いかと思います。また痛みの感覚も、手や指に比べて少し鈍感なようなので、痛みを感じにくかったりもします。そのため、少し痛くても「歩きすぎたかな?」「靴が合わないのかな?」とそのままにされてしまい、足の指が曲がって変形を起こしてしまう事があります。 実際、「指や手首が痛いんです」と来院された患者さんの中にも、足の診察をさせて頂いた時に初めて「あっ、押されると足も痛いですね」と、そこで初めて足の痛みに気づかれる方もいらっしゃいます。 お風呂に入った時に自分で足が腫れていないか見たり、押して痛くないかなどを確認されると良いかと思います。

「頭が痛い」「腰が痛い」「全身があちこち痛い」はリウマチの可能性は低いです

その一方で、「頭」「腰」はリウマチが起きにくい場所になりますので、「頭痛」や「腰痛」はリウマチの可能性が低くご安心頂ければと思います。また、皮膚や筋肉など関節以外の場所も含め「頭のてっぺんから足先まで、全身あちこちが痛い」などもリウマチの可能性は低いので、リウマチに関してはご安心くださいね。

③リウマチっぽい痛みって?

「指」「手首」「足」はリウマチの痛みが出やすい関節ですよ、とご紹介させて頂きました。
「あーやっぱり、指の付け根が痛いから、リウマチなのかな?」
「足の指、言われてみると腫れてるし押すと痛いな。」
そんなリウマチが出やすい関節に痛みがある皆さんに、さらに「リウマチっぽい痛みを見分けるポイント」をご紹介させて頂きますね。

~リウマチっぽい痛みを見つける5つのポイント~
  • 1)痛いだけでなく、ほんのり赤く腫れている
  • 2)1か所ではなく、2か所以上の関節が痛い
  • 3)徐々に痛い関節が増えている
  • 4)痛みが2週間以上続いている
  • 5)ズキズキ、ジンジン、ズーンと、関節の奥が痛い

僕らリウマチ医が、「これはリウマチっぽいな」と考える一番のポイントは、関節が痛いだけでなくて「腫れている」という点です。痛みだけですと、冷えや使い過ぎ、加齢でも起きる事もあります。僕自身も、時々痛みを感じる日もあります。しかし、痛みだけではなく関節が腫れているとなると、なんらかの原因があって関節の中で炎症が起きている可能性があり、リウマチっぽさがぐっと高まります。腫れているかどうかを知りたい方は、見た目や、軽く押してみて膨らんでいるかどうかをチェックしてみてください。さらに、軽く押した時に痛みが強くなるようでしたら、腫れているサインになります。

次に、痛い関節の数もリウマチっぽさを考えるポイントになります。痛い関節が1か所だけなら、気が付かないうちに治ってしまうような、特に問題ない痛みの事も多いです。僕自身も時々あります。 しかし、「あれ?右手首だけじゃなく、左指も痛くなってきたぞ」といった感じで、2か所3か所、さらに右も左も、手も足も、と2か所以上の関節が痛くて、さらにその痛い関節が増えてきているとなると、何らかの病気が体の中で起きている可能性があり、「リウマチが怪しいぞ」という事になります。

また、痛みがどれくれいの期間続いているのか?というのも大切なポイントになります。とくに問題のない痛みなどは、安静にしていれば数日で痛みが自然に良くなる事が多いです。しかし、2週間たってもずっと痛みが続いているような場合には、何らかの病気があって関節の中で炎症を起こしている可能性があり、一度リウマチの検査がお勧めになります。

ところで、リウマチでご通院中の皆様に「どんなの痛みですか?」とお伺いすると、「皮膚の表面ではなく、関節の奥の方が重く痛い感じです」と仰る方が多いです。 リウマチの痛みは関節の中で炎症が起きている事による痛みになります。ちょうど、どこかにぶつけて腫れあがった「たんこぶ」の痛みに近いものになります。たんこぶのように、リウマチの痛みは、表面ではなく奥の方からジワジワと痛い。じっと安静にしていても痛いし、押すともっと痛い。ほんのり赤く、熱をもって、膨らんでいる。さわると柔らかくブニブニ膨らんでいる。痛みをことばで表現すると、「ズキズキ」、「ジンジン」、「ズーン」という感覚の痛みになります。どうでしょう、少しイメージが付きましたでしょうか?

一方で、「たんこぶっぽくない痛みは、リウマチっぽくもないな」いう事になります。

例えば、

  • 皮膚の表面が「ピリピリ」「チクチク」「ビリビリ」痛い→これは神経の痛みの可能性
  • 動かさなければ痛くない、押すと楽になる→これは筋肉のこわばりなど整形外科の可能性
  • 膨らんではいるが、硬い。押してもそんなに痛くない→これは加齢による痛みの可能性

と言った感じです。

ここまでお読み頂いて、「あちゃー、このリウマチっぽい痛みに、私は全部当てはまるわ」という方もいらっしゃるかもしれません。ただ、ご安心ください。これらはリウマチの初期の症状になりますので、早めに診断をして治療を始めれば、手指の変形なども起こさず痛みも良くなります。そんな皆様に、僕らのようなリウマチ専門クリニックがお役に立てるかと思いますので、お気軽にご相談くださいね。