朝のこわばり

朝のこわばり

「朝起きると、指が曲げにくい」
「午前中は、手がこわばって動かしにくい」
「朝食を作る時に、手に力がはいらない」
など、朝の手や指のこわばりでお困りの方はいらっしゃいませんか?
そんな気になる手のこわばりの原因になる病気を、紹介させて頂きますね。

リウマチ(=関節リウマチ)

リウマチは、本来自分の体をウイルスなどの敵から守ってくれる免疫細胞が、間違って自分を攻撃してしまう病気です。特に、手首や指、足指などの小さな関節で免疫の細胞が暴れ、痛みや腫れ、さらには手足の変形をおこしてしまいます。
そんなリウマチですが、痛みや腫れが出る前のごく初期の症状が、この「朝のこわばり」である事があります。

なぜ朝だけ手足がこわばるのかというと、寝ている間に手足にリウマチの炎症物質や関節液がたまってしまうからだと言われています。
そしてお昼ぐらいになると、体も動いて全身の血液の流れが良くなるので、手足に貯まっていた炎症物質や関節液も流れがよくなり、こわばりが自然によくなると考えられています。

リウマチの可能性がある朝のこわばりのポイントは、

  • ①朝起きると「1時間以上」手足がこわばる
  • ②手首や指、足などの関節に「痛み」や「腫れ」がある
  • ③痛みや腫れのある関節が「2か所以上」ある
  • などです。

    こんな時は、リウマチの初期症状の可能性を考えたほうが良いかもしれません。気になる症状のある方は、お近くのリウマチ専門クリニックにご相談くださいね。

変形性関節症(へんけいせい・かんせつしょう)

ご年配の方の手足のこわばりで一番頻度が多いのは、この変形性関節症です。
手首や指などの関節は、骨と骨の間に軟骨というツルツルした石鹸のようなクッションがあります。この軟骨が、年齢を重ねていくうちに、徐々に減って薄くなります。そうすると骨と骨の滑りが悪くなって、手や足のこわばりや動きにくさに繋がります。

変形性関節症とリウマチの見分けポイントは、

  • ①こわばりは午後や夕方も続く
  • ②手足の動かし始めに痛みがでるが、安静にしていると痛くない
  • ③指先の第一関節が痛い(リウマチは指の第一関節は出にくい) 
などになります。

変形性関節症は、整形外科の先生がご専門で、リハビリや温熱療法、ヒアルロン酸の注射などが治療になります。 気になる症状のある方は、お近くの整形外科クリニックさんにご相談されると良いかと思います。

更年期症状(こうねんきしょうじょう)

40-60歳前後の女性の方で、リウマチ以外に手のこわばりの原因として多いのが、女性ホルモンの減少による更年期症状になります。
更年期症状というと、顔がほてるホットフラッシュが有名ですが、実は「手のこわばり」もよく見られます。

女性ホルモンには、関節や腱の腫れをとる働きがあると言われており、更年期になり女性ホルモンが減ることで手や指のこわばりが出てしまうと考えられています。

更年期症状の手のこわばりを考えるポイントは、

  • ほてり、のぼせ
  • 生理不順、不正出血
  • 肩こり、腰痛、手のこわばり
などになります。

更年期症状は婦人科がご専門となります。気になる症状のある方は、お近くの婦人科クリニックにご相談されると良いかと思います。