関節が腫れた
「最近、手首が膨らんでいて押すと痛いです」
「指が痛くて、押すとさらに痛みます」
「ただの浮腫みかと思っていたのですが、足首を押すと痛いです」
などなど。
実はこの「関節を押すと痛い」というのは、関節の中で炎症が起きて「腫れている」可能性が高く、
リウマチを始めとする病気が隠れていることがあるので要注意なんです。
僕らリウマチ専門医も、痛みだけでなく、関節を押すと痛いと伺うと「リウマチかもしれない」と
より気を引き締めて診察させて頂いたりします。
関節を押すと痛いときにはどんな病気があるのか、チェックポイントなど含めてご紹介させて頂きますね。
- リウマチ(=関節リウマチ)
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リウマチは自分の体をウイルスなどから守ってくれる免疫細胞が、間違って自分の関節を攻撃してしまう病気になります。特に、指や手首、ひじ、ひざ、足首、足の指など、体の中の曲げ伸ばしできる場所である関節(かんせつ)に痛みや腫れが出てくるのがリウマチです。
さらに、リウマチの場合には、関節に中で免疫細胞が暴れて炎症を起こし、関節の中に水がたまって、熱をもって腫れているのが特徴です。リウマチの腫れを見つけるポイントは、
- 「手首」「指」「ひじ」「ひざ」「足首」「足の指」などリウマチになりやすい関節が痛い
- 痛みのある関節を見ると、ほんのり赤く膨らんでいる
- 触ると反対の手足の関節に比べて、少し熱をもっている
- 押すとブヨブヨ柔らかい
- もっと押すとズキズキ痛みがでる
このような時は、関節エコー検査などで実際に関節の中でリウマチなどの炎症が起きているかを検査する事が大切です。ぜひ、お近くのリウマチ専門クリニックにご相談されると良いかと思います。
- 痛風(つうふう)、偽痛風(ぎつうふう)
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リウマチと同じように、関節が腫れて押すと痛い病気の原因に、痛風や偽痛風があります。
どちらも、関節の中に尿酸やピロリン酸といった物質が溜まってしまい、ある日突然凄い痛みを起こすのが特徴です。リウマチと違って痛風の場合は
- 足の親指が痛くなりやすい(リウマチは親指には出にくいです)
- 左右どちらか一つの関節が腫れて痛くなる
- 激痛ですが1週間ほどで自然に良くなる
- 尿酸値が高めの、中年の男性に多い
偽痛風のほうは
- 首、手首、ひざ、股関節に痛みが出やすい
- 左右どちらか一つの関節が腫れて痛くなる
- 激痛ですが1週間ほどで自然に良くなる
- 70代、80代のご高齢の方に多い
痛風は内科や整形外科、偽痛風は整形外科の先生がご専門となりますので、気になる方はご相談されると良いかと思います。
- 感染症
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頻度は低いですが、注意しなければならないのが、関節に細菌が入って感染しまった状態です。
化膿性関節炎(かのうせい・かんせつえん)と呼ばれますが、そのままにしておくと細菌が体中に広がって重症になってしまう事があるので注意が必要です。化膿性関節炎を考える症状としては、
- ひざや足首など、どこか一つの関節が赤く熱をもって腫れて痛い
- 体のだるさが続いている
- 発熱が続いている
関節の痛みだけでなく、発熱やだるさなど全身の症状もある事がポイントですね。検査や治療は、腫れている関節に注射してどんな菌がいるかを調べたり、抗生剤の点滴をしたりとなります。入院が必要な事もありますので、大きな総合病院の整形外科さんにご相談されると良いかと思います。