リウマチ用語辞典:お薬

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アザルフィジン

お薬
昔からあるリウマチの飲み薬になります。見た目がオレンジ色のお薬で「柿の種みたいなお薬」のニックネームで親しまれています。 リウマチへの効果は中程度で、メトトレキサートが使えないご高齢の方や、腎臓が悪い方でも使用できる、比較的安全性の高いお薬です。妊娠・授乳中のリウマチの方にも使えるお薬になります。 またメトトレキサートや生物学的製剤で治療をされている方で、あと一押しでリウマチがさらに良くなるという時に、アザルフィジンが追加で使われたりもします。 まずは朝食後1錠で始め、飲み合わせなどを確認しながら朝食後1錠+夕食後1錠に増やしていきます。飲み始めて1-2か月で、ジワジワ効果が出てくるお薬になります。

アクテムラ

お薬
IL6というリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを良くする生物学的製剤の一つになります。他の生物学的製剤と同じく、リウマチをピンポイントで狙って治療する注射のお薬なので、飲み薬以上にリウマチに良く効きます。また関節の変形などもしっかり予防してくれます。 アクテムラは他の生物学的製剤と違って、メトトレキサートなどの飲み薬と一緒に使わなくても、注射だけで充分効果が期待できる特徴があります。 また他の生物学的製剤と比べて比較的お薬代が安い3割負担で月1万円前後のも特徴となります。

アルブミン

お薬
血液の中にある、たんぱく質の一種になります。栄養状態をみるのに使います。アルブミンが正常値3.8を大きく下回るようだと栄養状態が悪く、足に浮腫みがでたり、免疫力が落ちたりと注意が必要です。 リウマチの炎症が強いと栄養がリウマチに取られてしまい、アルブミンも低くなる事があります。またリウマチの炎症が治療で良くなると、下がってしまったアルブミンも回復し栄養状態も良くなります。 リウマチ治療中は、定期的に血液検査でアルブミンをみて栄養状態も確認しながらお薬を調整していきます。

アルコール

お薬
飲みすぎ注意です。週2回以上の休刊日を作って肝臓を休める日を作りましょう。特に、メトトレキサートを飲む日はアルコールを飲み過ぎないようにしましょう。アルコールを飲むと肝臓への負担が大きくなって、肝臓の数値が高くなることがあります。 肝臓の数値が高くなると、メトトレキサートなどリウマチの飲み薬が十分な量使えずリウマチの治療が難しくなってしまいます。また長期間お酒で肝臓に負担がかかると、肝臓が硬く働きがわるくなっら肝硬変(かんこうへん)になってしまいます。こうなると、もうメトトレキサートは使えません。ぜひお酒はたしなむ程度で、飲み過ぎないようにご協力頂けますと幸いです。

イスコチン

お薬
結核(けっかく)の発症を予防するお薬になります。なんの症状や思い当たる所がなくても、じつは何十年も前にどこかで結核菌が体に入って冬眠をしていることがあります。 その状態でリウマチの治療を始めると、稀に肺の中で冬眠していた結核菌が目を覚まして悪さをし、セキや熱が出て結核を発症してしまうことがあります。 そのためリウマチの治療をする前には皆さん結核の血液検査(Tspot)を行い、結核が冬眠していないかをしっかり確認します。もし結核が冬眠している可能性がある方は、イスコチンという結核のお薬を半年~9カ月使用し、結核菌を除菌しながらリウマチのお薬を使うと安全です。

インドメタシン

お薬
痛み止めのお薬の1種になります。飲み薬や、貼り薬、塗り薬などがあります。 NSAIDSと呼ばれる、ロキソニンやボルタレンと同じグループの痛み止めになります。 プロスタグタンジンという痛みを引き起こす物質が作られないように働いて、痛みが出ないようにします。 リウマチ自体の治療薬ではありませんので、これだけではリウマチの腫れや変形は抑えられません。ただ、即効性があり使うと30分程度で痛みが良くなります。 なのでメトトレキサートや生物学的製剤などのリウマチの治療薬をしっかり使いつつ、時々ある痛みに対してインドメタシンなどの痛み止めを追加で使われます。

エタネルセプトBS

お薬
TNFというリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを良くするエンブレルという生物学的製剤のバイオシミラー(ほぼ後発品、ほぼジェネリック)になります。 カツオの一本釣りのように、リウマチの原因物質をピンポイントで狙って治療するので、従来の飲み薬によりさらにリウマチに良く効きます。 他の生物学的製剤と同じく、メトトレキサート飲み薬でよくならないリウマチの方にも良く効きます。そして、なんといってもお薬代が今までの生物学的製剤の6割程度(エタネルセプトBS50㎎1本5500円×月4-5本)なのが大きな魅力です。生物学的製剤のお薬代で悩まれていた方の、強い味方です。

エンブレル

お薬
TNFというリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを良くする生物学的製剤の一つです。 他の生物学的製剤と同じく、メトトレキサートなどの飲み薬でよくならないリウマチの方にも良く効きます。最近ではバイオシミラー(ほぼ後発品、ほぼジェネリック)でお薬代は約半分のエタネルセプトBSも登場しております。

滑膜(かつまく)

お薬
骨と骨がくっついて関節を作っていますが、その骨と骨を包んでくれているのが滑膜(かつまく)という膜になります。滑膜は骨や軟骨に栄養を届けてくれたり、滑液という液体を作って関節同士の滑りを良くしてくれています。ところが、リウマチになるとこの滑膜が腫れて炎症を起こしてきます。これを滑膜炎とよび、従来のレントゲンではうつらないのですが、関節エコー検査でよく分かります。 最新のリウマチ診療では、関節エコー検査で骨にダメージがない滑膜炎の段階でリウマチを早期発見し、早期治療をしていくのがとっても重要になっています。

間質性肺炎(かんしつせいはいえん)

お薬
リウマチは関節に炎症が起きるだけでなく、肺にも間質性肺炎(かんしつせいはいえん)という特殊な肺炎を起こしてくることがあります。 多くの間質性肺炎は進行せず無症状のことが多いですが、稀に急に悪化することがあるので注意が必要です。また大切なのは、間質性肺炎があるとメトトレキサートなど肺に負担のかかるお薬は使いにくくなるので、リウマチの治療を始める前にしっかり検査する必要があります。血液検査KL6の測定と胸部レントゲン(正面だけでは分からないので側面も撮影しましょう)、胸部CTが発見に役立ちます。間質性肺炎のある方は、胸部CT検査などの設備のある総合病院などでのリウマチ治療が安全です。

関節エコー

お薬
関節リウマチの診断を大きく進歩させた画期的な検査になります。昔はリウマチが進行し骨が壊れ変形してからようやくレントゲンで写って診断していたのが、エコー検査をすることで骨が壊れる前にリウマチの診断ができるようになりました。 エコー検査を行えば痛みや腫れのある関節の中をその場で見ることが出来き、関節の中に炎症があるかがすぐに分かります。血液検査で分からないような超早期の関節リウマチも見つけることが出来ます。検査には修練が必要であり、日本リウマチ学会認定の「ソノグラファー」とう資格があります。 コメント:現在治療中の方も、CRPが陰性でも手指の関節にリウマチが残っていて変形が進行してしまうことがあります。リウマチの早期診断、さらには治療の経過もしっかり関節エコーでチェックしていきましょうね!

クレアチニン

お薬
クレアチニンは腎臓の働きで尿に捨てられる体の老廃物です。腎臓が元気だとクレアチンは大量に尿に捨てられるので低くなります。逆に腎臓が疲れてくると老廃物のクレアチニンが尿に捨てられずに体にたまってしまうので数値が高くなります。クレアチニンの数値を見ることで腎臓の働き具合が分かるんですね。 メトトレキサートは腎臓の働きが悪くなると、尿中に排泄されず体の中にいつまでも残って副作用を起こすことがあります。そのため毎月血液検査をしてクレアチニンを確認することが大切です。

ケナコルト

お薬
腫れてしまった関節の中に注射するタイプのステロイドになります。 リウマチの治療のメインは飲み薬や生物学製剤になりますが、治療を始める前、または治療中に急に関節が腫れてしまった時などに応急処置的に使います。 腫れている関節の中に直接ステロイドを入れるので非常に効果がありますが、2~4週間程度で効き目が無くなります。また軟骨にはあまり良い働きをしないので複数回行うことは避けたい治療であくまで応急処置になります。関節に入れたケナコルトが効いているうちに、リウマチの根本的な治療を工夫することが大切です。

ケナログ

お薬
口内炎の塗り薬になります。メトトレキサートなどのお薬で口内炎ができることがありますので、その際によく使われます。

コルヒチン

お薬
膠原病の一つ、ベーチェット病でよく使われるお薬になります。ベーチェット病の発熱や関節痛、口内炎などを治してくれます。痛風のお薬にもなります。最近では家族性地中海熱という稀な発熱と関節痛を起こす病気にも使われるようになりました。

サラゾスルファピリジン

お薬
昔からあるリウマチのお薬アザルフィジンの正式名称になります。→アザルフィジンへ

シオゾール

お薬
昔使われていた金を原料としたリウマチのお薬になります。良い薬が無かった昔は使用されていましたが、現在では効果・副作用面であまり使われることはなくなりました。

シムジア

お薬
TNFというリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを治療する生物学的製剤の1つになります。妊娠、授乳中にも使用できる生物学的製剤はシムジアとエタネルセプトだけになりますので、妊娠・授乳中にも使える貴重な薬剤という特徴をもっています。また治療初期に通常量の2倍量で治療することができます。

シンポニー

お薬
TNFというリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを治療する生物学的製剤の1つになります。1-~2週毎に注射する生物学的製剤が多い中で、4週に1回の注射となり注射の回数が少ないのが特徴です。また通常量で良くならない方には2倍量に増やして治療することが出来ます。

ヒュミラ

お薬
TNFというリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを治療する生物学的製剤の1つになります。メトトレキサートと一緒に使わないと効果が弱くなってしまう弱点はありますが、リウマチでの治療効果だけでなく、乾癬性関節炎など他の膠原病にも効き目があるお薬になります。

オレンシア

お薬
T細胞というリウマチの原因細胞を抑えて、リウマチを生物学的製剤の1つになります。他の生物学的製剤に比較して効果はゆっくりですが、感染症などが少ない傾向にあります。そのため、飲み薬があまり使えない高齢のリウマチ方にもよく使われる生物学的製剤になります。

レミケード

お薬
TNFというリウマチの原因物質を抑えて、リウマチを生物学的製剤の1つになります。点滴のお薬で、生物学的製剤の中でもっとも古い薬になります。メトトレキサートと一緒でないと使うことが出来ませんが、通常量で良くならない方は点滴量を3.5倍まで増量したり、頻度を8週に1回から4週に1回に短縮したりと、治療を強化することができるのが特徴です。

ケアラム

お薬
飲み薬で最近登場したお薬になります。効果は中程度でメトトレキサートより効果は落ちますが、アザルフィジンと同じくらいになります。メトトレキサートが使えない高齢の方や、間質性肺炎のある方、腎臓の機能が落ちている方にも比較的安全に使用できるという特徴があります。ワーファリンを使用中の方、胃潰瘍のある方は禁忌になりますので注意が必要です。

コルベット

お薬
販売会社が違うので名前が異なりますが、ケアラムと同じ薬になります。(⇒ケアラムへ)

リマチル

お薬
昔からあるリウマチのお薬になります。効果は中程度でメトトレキサートより効果は落ちますが、アザルフィジンと同じくらいになります。高齢の方や、肝機能が低下している方にも比較的安全に使用できるという特徴があります。長年使用されている方は蛋白尿や、黄色爪症候群に注意が必要になります。

フォリアミン

お薬
メトトレキサートとセットで使う葉酸のビタミン剤になります。メトトレキサートを使用した翌日にフォリアミンを使うことで、葉酸を体に補充して口内炎や肝臓への負担などを軽減してくれます。メトトレキサートを使用している方は必ずセットでフォリアミンも使用しましょう。

ロコアテープ

お薬
最近販売された湿布剤になります。従来の湿布にくらべて、鎮痛剤成分の吸収が改良されており効果があります。飲み薬の鎮痛剤と同じくらいの効き目があると言われています。

TNF

お薬
リウマチを起こしている悪い免疫細胞が作るメッセージ物質の一つになります。この中には「みんなで関節の中で暴れてやろう」というメッセージが入っており、TNFを受け取った炎症細胞や破骨細胞などは関節の中で暴れだします。さらに今度は自分たちでTNFを作るようになり、周りの炎症細胞や破骨細胞にも関節で暴れるようにメッセージを伝えるのでもう大変です。現代風にいうと、TNFという炎上メールが次々と拡散してさらに炎上する感じでしょうか。これがリウマチの大きな原因の一つになります。 このTNFの炎上メールを急いで削除して、拡散するのを防いでリウマチを強力に治療するのがTNFを抑えるタイプの生物学的製剤になります。

T細胞

お薬
様々な免疫細胞に指令を出す、免疫細胞のボスがT細胞になります。この免疫細胞のボスであるT細胞が暴走して「関節を攻撃しなさい」と間違った命令を出してしまうことが、リウマチを引き起こしてくる原因の一つになります。このT細胞の暴走を止めて落ち着かせるお薬が、生物学的製剤のオレンシア、飲み薬のタクロリムスになります。治療を始めるとT細胞から「関節の攻撃をやめなさい」という命令がだされますが、ボスの命令が現場に届くのは時間がかかるようで、どちらのお薬も比較的時間をかけてジワジワ効いてきます。効果はゆっくりですが、ともに比較的安全性の高いお薬になります。

IL6

お薬
TNFと同じ、リウマチを起こしている悪い免疫細胞が作るメッセージ物質の一つになります。このIL6にも「みんなで関節の中で暴れてやろう」というメッセージが入っており、IL6を受け取った炎症細胞や破骨細胞などは関節の中で暴れだし、自分たちもIL6を作るようになるので、関節の炎症が次々に広がっていきます。これもリウマチを起こす原因の一つになります。 このIL6の拡散を防いで治療するのが、生物学的製剤のアクテムラになります。 またIL6はCRPを作るメッセージと、腸管粘膜を保護するメッセージももっています。

寛解(かんかい)

お薬
リウマチがしっかり治まっていることを寛解と言います。昔からあるDAS28寛解やSDAI・CDAI寛解が使われていましたが、最近では分かりやすいBoolean寛解(腫れ、痛み、CRPすべて1以下、VAS10以下)などが使われます。 また関節エコー検査で関節の中を検査し、リウマチが残っていない事が確認できた最高の状態「エコー寛解」があります。関節エコー検査のできる専門施設にて目指せる最も理想的な寛解になります。 コメント:CRPが正常になってもリウマチが残っていて変形が起きてしまうことがあります。ぜひ関節エコーで関節の中がしっかり治っているかを確認し「エコー寛解」を目指しましょう!

骨粗鬆症

お薬
女性の方は閉経後に女性ホルモンが減るため、大部分の方が骨密度が低くなり骨粗鬆症となります。関節リウマチは女性の方が多いいこと、またリウマチ自体でも骨密度が減ること、治療で長年ステロイドを使用しても骨密度が減るなどの理由で、より骨粗鬆症を起こしやすくなります。骨粗鬆症になると骨が弱くなるので、ちょっとしたことで骨折をしやすくなってしまします。 女性のリウマチの方で、特にステロイドを長年使われている方は、骨折をする前に骨粗鬆症予防のお薬を検討されるのがおすすめです。

抗核抗体

お薬
自分の体を攻撃してしまう可能性のある免疫物質の量をざっくりみた検査になります。 リウマチ以外の多くの膠原病でこの抗核抗体が高くなります。 基準値は40ですが、膠原病の可能性がでてくるのは160以上になります。40~80程度の少しの上昇はまず問題ありません。

膠原病

お薬
体の中にある免疫細胞が、自分を攻撃して起こってくるさまざまな病気をまとめて膠原病と総称します。リウマチも膠原病の一つになります。ほかにも、強皮症、シェーグレン症候群、ベーチェット病などどんな種類の免疫細胞が体のどこで悪さをするかで、膠原病もさらに細分化されます。すぐに入院して治療が必要なものから、治療が不要なものまでその重症度も様々になります。

シェーグレン症候群

お薬
リウマチと一緒に起きてくることが多い膠原病の一つになります。主な症状は目や口の渇きになります。治療に特別なものがあるわけではないので、通常のドライアイの目薬や、うがい・こまめな水分補給・唾液分泌促進の飲み薬などになります。 頻度は非常に低いですが、肺、腎臓、甲状腺やリンパ腫など内臓病変がでることがあるので、年1回の健康診断・人間ドックがおすすめです。

骨びらん

お薬
リウマチで関節の中に炎症がおきると腫れて痛みが出てきます。それを数か月ほおっておくと、リウマチの炎症が骨にも到達し骨に穴があいてしまいます。これを「骨びらん」といいます。さらに骨びらんが起きた関節をそのままにして起きリウマチが進行すると、骨の変形が起きて手指が曲がったり動かなくなってしまいます。レントゲンでリウマチの診断がつくのは骨びらんや変形が出てからになります。その前に関節エコー検査で早期にリウマチを見つけて治療することが大切です。

バネ指

お薬
手指には腱という紐がそれぞれついています。その紐を引っ張ったり、緩めたりすることで手指が曲がったり伸びたりします。この腱の滑りが悪くなってしまうと、指を伸ばそうとしてもすぐには伸びずに固まってしまうことがあり、これをバネ指と言います。腱の滑りが悪くなる原因の多くは、手指の過度な使用によるものがほとんどです。ただリウマチが原因で起きてくることもあり、とくにバネ指だけでなく手首や足趾など関節の痛みや腫れがある時は要注意になります。

腱鞘炎

お薬
手指の曲げ伸ばしをするためについている紐、それが腱になります。その腱が腫れて痛みがでるのが腱鞘炎になります。 腱鞘炎の多くは、ゴルフやパソコン作業など手指の使い過ぎが大部分になります。ただリウマチが原因で起きてくることもあり、あまり手指を使っていないのに腱鞘炎が出てきた場合にはリウマチに注意が必要です。

変形性関節症

お薬
指先の第一関節、第二関節によくみられる加齢変化になります。骨と骨の間には、柔らかい軟骨があり硬い骨同士をつなぐクッションのような役割をしています。しかし長年手指を使うと段々と軟骨が消耗し薄くなります。そうすると高い骨同士がぶつかり痛みがでたり、骨が出っぱり指の節が太くなります。リウマチと違って第一関節に出やすい事、また骨が太くなるので腫れた部分を触ると硬いのが特徴です。整形外科にて痛み止めやリハビリなどが治療の中心になります。

乾癬性関節炎

お薬
リウマチと同じように手指・足趾などが腫れて痛くなりますが、リウマチのCCP抗体やリウマチ因子のように血液検査で診断につながる項目がありません。そのため原因不明の関節痛の原因として、よくある病気になります。ポイントは皮膚と爪です。毛髪内や肘・膝にカサカサした湿疹があったり、爪に小さな凹があったり黄色くボロボロしている方は要注意です。またリウマチと違って指先の第一関節が腫れること、アキレス腱の腫れなどが見られることも特徴です。乾癬に治療もリウマチに負けず、ここ数年で乾癬専用の生物学的製剤が次々に登場しとっても良くなってますよ。 コメント:リウマチとなかなか診断されない方の中には、乾癬性関節炎の方がいらっしゃいます。治療でかなり良くなりますので、皮膚科で乾癬と言われている、皮膚や爪の症状のある方は一度乾癬性関節炎を考えてみてくださいね。

リウマチ性多発筋痛症

お薬
ご年配の方が急に首肩が痛くなり、寝返りも打てなくなってしまうのがよくある症状になります。リウマチの親戚のような病気ですが、リウマチが手指・足趾が痛くなるのに比べて、肩や首・背中・太ももなど体の中心に近い筋肉が痛くなるのが特徴です。 肩の痛みでよくある五十肩との見分けは血液検査で炎症の数値が上がっている点になります。治療はステロイドになります。ステロイドがとっても良く効くのも特徴の一つです。 コメント:長年、五十肩や腱板断裂と思っていた方が実はリウマチ性多発筋痛症で、プレドニンを始めてスッキリよくなった時は、リウマチ専門医として嬉しい瞬間です。

へバーデン結節

お薬
加齢によって骨と骨の間にある軟骨が減ると、骨同時がぶつかって骨が部分的に太くなります。それが指先の第一関節におきて節が太くなったものを、へバーデン結節と言います。リウマチではなく変形性関節症という加齢変化になります。

ブシャール結節

お薬
変形性関節症という骨と骨の間の軟骨がすり減って起きる変化が、指の第二関節におきたときにブシャール結節ができます。硬い骨同士がぶつかり部分的に太くなるので、第二関節が硬く太くなります。

ムーンフェイス

お薬
ステロイドの量が多いと顔に脂肪がついて丸顔になり、これを月になぞえてムーンフェイスと呼びます。ステロイドの有名な症状になりますが、通常のリウマチで使われるようなプレドニン5㎎程度の少量のステロイドではまず起きません。 入院するような重篤な膠原病で、ステロイドを30㎎や50㎎など沢山使うとでてくる可能性があります。

ステロイド

お薬
もともと体の中にある副腎皮質ホルモンという炎症を抑えるホルモンをお手本に作った薬になります。効き目が非常に早く、腫れている関節も2-~3日でスッキリ改善させます。ただ長年使用すると骨密度の低下などのデメリットがあるので、治療の開始は必要な量をしっかりと使い、リウマチが良くなったらどんどん減らして中止を目指すのが上手なステロイドの使い方になります。

セレコックス

お薬
痛み止めの1種になります。効果はロキソニンと同等、長く効くので1日2回で大丈夫です。他の痛み止めと違い、胃に負担がかからないように改良されているのが特徴です。

タクロリムス

お薬
T細胞という免疫細胞を大人しくさせてリウマチを良くするお薬になります。メトトレキサートが使えない高齢の方、間質性肺炎のある方、腎臓の悪い方でも比較的安全に使えるお薬になります。お薬がどれくらい体に吸収されているか、血中濃度を測ることができるのが特徴です。この血中濃度をみながらお薬の量を調整できるので副作用が出る前に量の調整ができます。

ダイフェン

お薬
カビ肺炎予防のお薬、バクタのジェネリックになります。→バクタ

肺炎

お薬
リウマチは自分の免疫細胞が暴走して関節の中で暴れまわるのが原因になるので、リウマチのお薬はどれも暴れている免疫細胞を大人しくさせてリウマチを良くします。 そのため、効果の裏返しで良い免疫細胞も大人しくさせてしまうので感染症に注意が必要になってきます。そんな中で一番頻度が多い感染症が肺炎になります。特に、リウマチの方が注意する肺炎は3つ、「ニューモシスチス肺炎」「結核」「慢性気管支炎」になります。 →「ニューモシスチス肺炎」「結核」「慢性気管支炎」

バクタ

お薬
リウマチの方が気を付ける肺炎の一つである「ニューモシスチス肺炎」というカビが原因でおきる肺炎の予防薬・治療薬になります。普通の肺炎と違って咳や痰などの症状がでにくく、気づいたときには呼吸が苦しく緊急入院が必要な怖い肺炎になります。 そんな怖いカビの肺炎をあらかじめ予防できるお薬がバクタになります。リウマチが良くなってきたらぜひバクタを始めて、カビ肺炎を予防し安心して治療を続けたいものです。

ムコスタ

お薬
もともとは胃の粘膜を修復してくれる胃薬になります。リウマチの場合には、メトトレキサートで口内炎ができやすい方の口内炎予防・治療薬として使います。 胃の粘膜を修復してくれるように、口の中の粘膜も修復してくれるので口内炎に効くのですね。

メトトレキサート

お薬
リウマチのお薬の代表になります。飲み薬の中では一番効果があり、また生物学的製剤もこのメトトレキサートと一緒に使うことで効果が十分発揮されるものが多く、リウマチと言われたらまず使うお薬になります。このメトトレキサートが登場したことで、リウマチの治療は画期的に良くなりました。高齢の方、妊娠授乳中、腎臓・肺が悪い方は使えませんので注意しましょう。

AST・ALT

お薬
肝臓が疲れると高くなる数値になります。特にメトトレキサートを使用している方はAST・ALTが高くなることがあるので、定期的な検査が必要です。ASTとALTの違いは変動の早さです。ASTはALTよりも動きが早いので、肝臓が疲れるとASTが先に上昇し少し遅れてALTが上昇します。逆に、肝臓の疲れがとれるとASTが先に低下し少し遅れてALTが低下します。ALTが高くても、ASTが前回に比べて下がってきていたら肝臓の疲れは取れてきているので安心といった見方をします。またASTが高くなってきたらメトトレキサートの減量や、フォリアミンの増量などの対策が必要になります。

CRP

お薬
体の中に起きている炎症の程度を数値で表します。リウマチが悪くなると高くなり、良くなると下がります。数分で結果が出るので、その場でその日のリウマチの状態が分かりとっても役立つ検査です。また風邪や肺炎などの感染症を起こしても高くなります。風邪で大体CRP2~3、肺炎になるとCRP10~20と変わってくるので、ただの風邪なのか肺炎になってしまっているかなど感染症の重症度を見るのにも役立ちます。

ESR

お薬
体の中に起きている炎症の程度を数値で表します。リウマチが悪くなると高くなり、良くなると下がります。CRPと同じくリウマチの状態が分かりますが、CRPが数分で結果が出るのに比べて、ESRは数時間かかるので、CRPが登場してからはめっきり影が薄くなりました。ただリウマチ性多発筋痛症の場合には、CRPの上昇にくらべてESRが非常に高くなることが多いので、関節リウマチなのかリウマチ性多発筋痛症なのかを見極める時に参考になります。

eGFR

お薬
クレアチニンと年齢、体重などを加味して腎臓の働き具合を表した数値になります。 特にメトトレキサートは腎臓の働きが悪くなると、尿中に排泄されず体の中にいつまでも残って副作用を起こしてくることがあるので、毎月血液検査をして確認することが大切です。また夏場で汗をかいたり、水分摂取が少なくなると腎臓の数値が下がり悪くなってしまうので、常に水分摂取を心がけましょう。eGFR60以下は腎臓が疲れ始めているのでメトトレキサートは注意して使用、eGFR30以下はメトトレキサートは危険なので使用禁止になります。

KL6

お薬
リウマチは関節に炎症が起きるだけでなく、肺にも間質性肺炎という特殊な肺炎を起こしてくることがあります。その間質性肺炎があると高くなるのがKL6になります。 間質性肺炎があるとメトトレキサートなど肺に負担のかかるお薬は使いにくくなるので、リウマチの治療を始める前にしっかり検査することが大切です。また治療の途中で間質性肺炎が出てくることもあり、その場合の早期発見にもKL6の定期的な血液検査が役立ちます。

血小板

お薬
血液の中にある血小板という細胞の量を測定しています。血小板はケガをして出血したときに血を止めてくれる役割をもっています。リウマチには直接は関係ありませんが、リウマチの炎症が強いと血小板は高くなり、リウマチが落ち着いてくると正常範囲になります。また飲み薬の影響で血小板が減ってしまうことが稀にあり、その場合には原因薬剤を中止する必要があるので、症状が無くても定期的な検査をすると安心です。

ヘモグロビン

お薬
ヘモグロビンという、貧血を表す数値になります。リウマチの炎症が強いと栄養をリウマチに取られてしまうので貧血になります。リウマチが良くなると貧血も回復してきます。ただ基準値の男性13以上、女性11以上は特にご高齢の方にはなかなか厳しい基準値となっています。

MMP3

お薬
関節の中にある軟骨に炎症が起きると高くなる数値になります。リウマチが悪くなると高くなり、良くなると低くなるのはCRP(炎症反応値)と同じですが、少し視点を変えて現在骨にダメージが起きているかを見ることが出来ます。MMP3をしっかり下げることが将来的な骨の変形などを予防すると言われています。 ただステロイドを使っている方や、腎機能低下がある方はMMP3の結果が高めにでるので、正常値との比較だけでなく前回と比べてどうだったかを見ることも大切です。

Tspot

お薬
結核菌が以前体に入ったことがあると高くなる数値です。子供の頃などに周りの咳をしてる人などから知らないうちに結核の菌をもらってしまい、それが体の中で悪さをしないで冬眠していることが時折あります。 結核が冬眠しているところに、リウマチのお薬を使うと免疫力が下がることによって稀ではありますが結核菌が目を覚まして本当の結核を発症してしまうことがあります。そのため、リウマチの治療をする前には必ずTspot検査をする必要があります。

リウマチ因子、リウマチ反応

お薬
リウマチの診断をするときに使う検査になります。昔からある検査で、リウマチの体質があると高くなります。リウマチ反応などともいわれます。正常値は15以下ですが、リウマチでない方でも少し高くなってしまう事があります。数値が高くなるほどリウマチの可能性が高く、低い場合にはリウマチの可能性も低くなります。リウマチ因子が高く、関節の痛みや腫れの症状がある場合にはリウマチを発症した可能性があるので、関節エコー検査で関節を検査しましょう。

CCP抗体

お薬
リウマチを診断するときに使う検査になります。比較的新しい検査で、リウマチ因子と違って少しでも高ければリウマチの可能性が高くなります。8~9割のリウマチの方で上昇すると言われています。リウマチ因子と違って人間ドックなどではない項目なので、関節の腫れや痛みがあって医療機関を受診した際に検査する項目になります。 喫煙、歯周病があるとCCP抗体高くなってくることが分かっているので、禁煙・歯周病ケアがリウマチの発症予防になります。